実質全入校の受験対策
- 2023.02.20
実質全入校とは、実質倍率(受験者数/合格者数)が1.1倍を下回っている学校のことです。
定員割れ(志願者数/定員数が1.0倍以下)も同様に扱います。
実質全入校で「残念」にならないためには?
実質全入校は、手続き的なことを漏れなく行えば不合格にはなりません。
しかし逆に言えば、手続き的なことをしないと不合格になる可能性があります。
- 学校説明会で提示された「課題」を行っていない。
- 面接や志望理由書でアドミッションポリシーとは真逆のことをアピールした。
- 筆記テストの合格最低得点を満たしていない。
- 特別支援学級や長期欠席の場合に学校の受入可否確認を得ていない。
書類を出し忘れたとかの話じゃない!
「競争」で落ちることではなくても受験を軽く考えている人は落とされるということです。
合格最低得点
筆記テストで一定以上の得点がとれていないと強制的に不合格にする「足切り点」です。
学校によって設定有無や公開有無が異なります。
塾には通ったほうがいい?
結論を先に言えば、絶対に通ったほうがいい。
入試問題の難度以外のことは難関校も全入校も同じ
正しい情報を得て慢心を防ぐために最もシンプルで確実な手段が受験塾に通うことです。
学力的な要求が低いので「安価な補習系や自立学習型でいいのでは?」と考える保護者が多いですが、その発想自体がすでに慢心ですし、正しくない情報に感化されている証です。
そういう人が必ず落ちるとは言いませんが、落ちる人は例外なくそういう人です。
夏期講習や冬期講習で何とかなる?
6年進級後の話であれば、例外的ケースを除けばほとんど役に立ちません。
例外は、受験塾と同レベルの学習を他塾や自学自習で行ってきた場合です。
そもそも受験塾の季節講習は・・・
- 直前期の理解漏れ補完
- 直前期に扱った内容の上位版(塾内学力上位者向け)
- 次期から入塾する人に向けた体験と差分データの配布
こういう性質なので、「季節講習だけ受講したい」という人にはあんまり意味がないです。
6年生の冬期講習は要注意
- 実戦演習型は詳細な解説はしてくれない。(手持ちの学習をやり尽くしているのが前提)
- 授業型は、直前期にそういうものはしないほうがいい。
過去問の学習がある程度終わっているなら実戦演習型は推奨ですが、そうでなければ自宅で計算ドリルしているほうがマシです。
個別指導塾を推奨
- 集団指導方式の場合、5年生後期からは学力格差の吸収が難しい。
- 6年後期の実戦演習は個別指導塾のほうが学習効率が良い。
- 難度が低いので自習教材で解決できる部分が多い。(週の回数は少なくていい)
- 夏休みと冬休みはコマ数を増やせば季節講習と同じ意味になる。
しっかりした「受験系個別指導塾」に月3~5回くらいのペースで通うのが推奨です。
既に自立学習型の塾を利用しているなら継続もあり
長期間の通塾で講師との信頼関係ができていいて、その講師が受験マネジメントができるなら継続もアリかもしれません。
志望時の留意事項
大学進学
率直に言って、共通テスト経由は期待できないと思います。
合格をアピールする学校はありますが、実質全入校の授業カリキュラムは学校推薦や併設校接続などの共通テストを経由しない方法を中心に設計されています。
逆に言えば、学校推薦やエスカレーターで進学したい場合は進学校型の学校や公立高校より有利になることが多いです。
いわゆる「お買い得な学校」が実質全入校にもあります。
とはいえ次のことも確認しておきましょう。
- 県中部私立高校の入試は専願で実質全入。
- 高校入試経由でも内進クラスには入れる。
- 対象大学の合格難度評価はいずれもDEランク。(普通科高校ならどこでも合格可能)
中学受験で進学するメリットがないような?
- 公立中学のお役所的価値観や高校入試に振り回されることを回避できる。
- 勉強が苦手な子でも比較的容易に「大学生」になれる。
- 中学進学以降は塾が不要なので、長い目で見ると学費総額は安くなることが多い。
消極的な…
その言葉でいえば、県内私大の人気学部は早い段階で共通テストに見切りをつけるほど入りやすいんです。
常葉草薙や静理工は共通テスト経由したら静大文系や県大レベルですよ。
思ってたより難しいんだ。
言っちゃなんですが、部活したり趣味したりこっそりバイトしたりのアオハル生活で偏差値50の大学に潜り込めるんだから、これがメリットといわず何なのさって話です。
しかしそこしか行けないのはちょっと…
あの、共テ経由で偏差値50以上を目指すなら、中高は塾漬け確定なんですけど?
改変履歴
- 【2023.02.14】初版