塾の掛け持ちが厳禁な理由百害あって一利なし

  • 2022.04.22
成績が伸びない

塾の掛け持ちは学力停滞を引き起こす最大級の原因であり、絶対にやってはいけないことです。

掛け持ちとは?このページでの定義

塾の掛け持ちとは、同一科目で学習サイクルが異なる複数の塾を並行利用することです。

塾A:算数

学習サイクル

塾B:算数

学習サイクル

科目が異なるのは「掛け持ち」ではない

塾A:算数

学習サイクル

塾B:国語

学習サイクル

これは単に「異なる塾の利用」です。

掛け持ちがダメな理由

学習サイクルが分断するからです。

浮気性は落ちる

ドラゴン桜2(講談社)

複数の問題集を使うケースで掛け持ちがダメな理由を考える

「問題集A」と「問題集B」を使うとします。

問題集Aが完答できて、余力で問題集Bをやる

これは発展的な学習です。問題集Bは可能は範囲でやればよいでしょう。

問題集Aが完答できない状態で問題集Bをやる

問題集Bに注力したいなら、問題集AはやらないほうがBの完成度は高まります。問題集Aがわからないので問題集Bを使うなら、AとBの優先順位が入れ替わります。

いずれにしても問題集Bの出来に関係なく問題集Aは時間と労力の無駄となります。

問題集Aも問題集Bも完答できないと中途半端な学習に終始します。問題集Bを使うことでそうなるのは本末転倒です。

集団指導塾の利用による学習サイクルの分断

前述の問題集Aを学校の授業、問題集Bを塾の授業(集団指導塾)として考えてみます。

学校はひとつの学習サイクルをもっていますので、独自のカリキュラムをもつ集団指導塾を利用すると単体利用でも学習サイクルが分断します。

学校補習の場合

集団指導の補習は、学習の到達目標を引き下げた学習することです。

前述の例になぞらえれば、集団指導の補習塾は「難度が低い問題集B」です。

学校(問題集A)

学習サイクル

塾(問題集B)

学習サイクル

塾の利用目的が「問題集Aを理解するため」であれば、学習の方向性は明らかに間違っています。なぜなら塾の到達目標は「問題集Bを理解するため」だからです。

学習の優先順位が入れ替わっているので、問題集Aの完答=学校の授業適応は成り行きに委ねらます。

優先順位を入れ替えるなら学習の方向性は正しい

学校の授業適応より教科書の理解そのものを優先する場合です。具体的には「学校のテスト点にはこだわらないので基礎学力をきちんとつけたい」というケースです。

ただ、塾を検討する人でそういう考え方は少ないと思います。

中学受験の場合

前述の学校補習に対して、学習の到達目標を引き上げた学習になります。

前述の例になぞらえれば、集団指導の補習塾は「難度が高い問題集B」です。

「どちらを優先するか?」の話において中学受験では受験を優先するため、問題集AとBの位置づけが入れ替わります。

学校(問題集B)

学習サイクル

塾(問題集A)

学習サイクル

学校成績は成り行き

受験塾の学習単元の順序は学校とは異なるので、一定期間の学習単元で出題される学校のテスト点にこだわるのは間違っています。

ただ、学校よりも到達目標が高いので最終的には成績上位になることが多いです。

参考:高卒生(浪人)の大学受験

学校のサイクルがありませんので、塾(予備校)に通ってもサイクルは分断しません。

学校(無し)

塾(問題集A)

学習サイクル

浪人生の学力偏差値が急上昇するのは「学校のサイクル」が無いことで学習が一元化するためです。

集団指導塾+個別指導塾の同時利用中学受験では「基本」の複数塾利用

  • 学校よりも高難度・高密度・高速なので、理解漏れの発生頻度は格段に多い。
  • 受験塾は志望校合格に必要な学力を得るために利用するものなので、授業適応できければ利用する意味自体が無くなる。

復習で理解しきれないときの対処は迅速に行う必要があり、その方法のひとつが「集団指導塾+個別指導塾」の複数塾利用です。

個別指導の質疑応答は集団指導塾のサイクル

「塾の授業=問題集A」でわからないことを質問するため、サイクルは分断しません。

同一サイクル上にある複数塾の利用は「掛け持ち」ではなく「併塾」と呼び、正常な状態です。

併塾は「同一単元・同一難度」が絶対条件

(物理的な話で)問題集Aのわからないことを解決するのですから、問題集Aを使うことは自然・合理的であるだけでなく絶対条件です。

異なる問題集を使う場合でも、少なくとも単元(範囲)と深度(難度)は揃っている必要があります。

併塾の選択肢は限られている同一単元・同一難度でないと「掛け持ち」になる

問題集Aがわからないので問題集B・・・というのは合理的ではありません。

単元(範囲)と深度(難度)が揃っていないと学習サイクルが分断してしまいます。(それは掛け持ち)

「同一単元・同一難度」に対応できる個別指導の選択肢

  • 集団指導の受験塾と同じ経営母体や業務提携している個別指導塾
  • 教材持ち込みができる個別指導塾や家庭教師
  • オンライン家庭教師

個別指導塾なら何でもいい…わけではありません。

プロ講師やカリスマ講師とか実にどうでもいい話であり、肝心なのは「同一単元・同一難度」です。

掛け持ちを回避するための3つの鉄則掛け持ちダメ!絶対!

塾を始める前に受験までの予算を確定させておく

「月謝」で考えると塾選びが場当たり的になって掛け持ちに流れやすくなります。

掛け持ちを肯定する情報に感化されない

掛け持ちを肯定する情報は、塾に行くことが手段ではなく目的になっている点で共通しています。

ひとつの塾で完結できる塾を選ぶ

換言すれば「脱落を防ぐシステム」が用意されている塾のことであり、具体的には次のとおりです。

  • 時間占有で質疑応答ができる。(集団・個別とも)
  • 定期的に再編される学力別クラスが設けられている。(集団指導塾の場合)
  • 理解状況に応じたカリキュラムの組み換えに対応している。(個別指導塾の場合)

改変履歴

  • 【2022.04.22】「問題集A/B」の比喩記述の追加と文脈修正。
  • 【2022.01.16】簡素化。
  • 【2020.06.16】初版