学校偏差値

  • 2023.04.24

学校偏差値とは?

特定の模試受験者の合否を追跡調査した統計です。

特定の学校について学力帯別の合格率がわかれば、その学校の合格に必要な学力目安がわかります。

学校の格付けではない

学校偏差値が示しているのは「合格の難度」です。

入学者の出身校や卒業後の進路をランキングしたものではありません。

「疑似偏差値」として区別しています。(このページの後半で触れています)

数字そのものは合格難度を示さない

あくまで「その集計データの中での序列」です。同じ学校でも集計データによって値は変わります。

また、数字そのものではなく「比較した差」に意味がある情報です。

模試偏差値とセットで参照する情報

学校偏差値は、集計元が主催する模試の結果をベースに作成されます。

活用のためには集計元となる模試を利用して自分の学力偏差値を予め知っておく必要があります。

学力偏差値との混同に注意

学力偏差値 特定のテストの受験者の中でのポジションを示したもの。模試偏差値と呼ぶほうが厳密的です。
学校偏差値 特定の模試受験者の合否を追跡調査したもの。厳密には「偏差値」ではなく標本調査です。
疑似偏差値
ランキング
何らかの実績を集計者独自の観点でスコアリングしたもの。ネットに散見する学校偏差値情報の多くはこれ。

「お食事券」と「汚職事件」くらい意味が違います。

おしょくじけん(笑)

学校偏差値の「つくられかた」

学力が異なる9人が同じ学校を受験したとします。下記表は各人の模試偏差値と合否結果です。

  模試偏差値 合否
太郎 45 ×
次郎 45 ×
三郎 45
四郎 50
五郎 50
六郎 50 ×
七郎 55
八郎 55
九朗 55
  • 模試偏差値45の人は3人中1人、偏差値50は3人中2人、偏差値55は3人中3人が合格している。
  • この前例によると、この学校は模試偏差値55以上なら高確率で合格できると考えてよい。
  • よってこの学校の学校偏差値は55。

なるほど。たしかに標本調査ですね。

高校入試でおなじみの内申点ボーダー情報も同じしくみです。

疑似偏差値(ネットに散見する偏差値情報)

標本調査ではなく何かのランキングです。

「何か」が何なのかわかればそれなりに使える

Cランク以上の大学合格数でスコアリングして、学調の地域格差や統一模試利用者の志望校で補正。

仮に「何か」がそうだとすれば、その序列は国公立や有名私大の合格率や通塾率を示します。

「学校偏差値」としては使えませんが、進学意欲が強い生徒が集まる学校かどうかの目安にはなります。

某情報は実質全入校でもAランクや医系学部の合格者が出ると評価が上がりますね。

仮の話じゃないじゃん(笑)

他県から転居してきた人には有益な情報だと思いますよ。

ウチみたいに受験生相手のビジネスをする業者にとっても有益情報ですしね。

なるほど。

偏差値70の高校って東大レベル?

中高大学の偏差値70
学校区分 推定母数 1000あたり 実数
中学(国私) 上20% 4校 3/851
高校(入試) 下90% 18校 87/4874
大学(四年制) 上40% 8校 6/795
実数はR2年文科省学校基本調査より

閑話用なので大雑把ですが。

ふむー

では、疑似偏差値の超進化形態をご紹介しましょう。

全国高校「国公立100大学合格力」

週間ダイヤモンド社が偏差値っぽい評価方式で発表しています。

2022年度
順位 評価点 学校名 国私公 地域
1 66.4 東大寺学園 奈良
2 63.4 兵庫
3 59.7 東京芸大附属 東京
6 53.7 開成 東京
18 48.7 岡崎 愛知
19 48.1 筑波大駒場 東京
23 47.0 旭丘 愛知
24 46.9 西大和 奈良
40 44.6 東海 愛知
45 43.7 浜松北 静岡

評価基準は「国公立大学」の進学実績です。私大は含まれていないので注意。

実質的には、東大や京大を含む旧帝大および国立医学部の合格者輩出ランキングです。

トップ3と上位50位内の県内校、および県内の中高受験で話題に上る学校を抜粋しました。

東海や西大和が県外受験で人気な理由はこれか。

静岡県内の最上位は浜北なのですね。

静大附属浜松→浜北の鬼ルートです。

ちなみに静高は?

例年は70位付近です。このモノサシでみれば静高は地方都市の自称進学校ですよ。

これが「高校の全国偏差値70」の本当の姿か…

で、このランキングが雑談以外に使い道ある?

結局は「だから何?」ですね。

改変履歴

  • 【2023.04.23】雑多な表現を修正・削除。
  • 【2023.01.23】学校偏差値と分割。
  • 【2022.07.10】会話型コメントを追加。
  • 【2022.01.16】ナビゲーション整合性のための文脈修正と冗長箇所の削除。
  • 【2019.10.01】初版