偏差値とは学力偏差値と学校偏差値

  • 2022.01.16

100点満点のテストで自分の得点が70点の場合、平均点が60点の場合と80点の場合では良し悪しの評価は違います。また、「1位95点、2位40点、3位39点」だった場合、2位と3位の逆転は容易いですが、1位の壁はとても高いことがわかります。

そういった個人成績だけでは見えにくい「格差」をわかりやすくするのが偏差値です。

このページは静岡県中部地域の中学受験を想定・前提に構成しています。

他県や大学受験には当てはまらないこともありますのでご注意ください。

偏差値を見る前に基本的なこと

受験情報の中央値は50

・・・です。

ちなみに知能指数(IQ)の中央値は「100」です。(つまりIQの数字は偏差値です)

「偏差値50」と「平均点」は似ているようで違う

平均点 全員のスコアを足して人数で割ったもの
偏差値50 スコアを昇順(降順)に並べたときのちょうど真ん中の順位が「50」

平均点が「スコア」を元にしていることに対し、偏差値は「順位」を元にしています。

たとえば100点満点のテストを100人で受けたとき・・・

  • 「平均点=50位」とは限らない
  • 「平均点=50点」とは限らない
  • 「50点=50位」とは限らない

数字そのものは学力を示さない

偏差値はあくまで「その集計データの中での序列」です。同じ学力の人でも他の集計データで同じ偏差値になるとは限りません。

学校のテストで満点を連発できても受験模試では実質白紙答案になることは普通にありますし、校内偏差値80超の高校生が同時期の全国模試で偏差値40だった…という実話もあります。(どんな学校だって話ですが)

学力の偏差値

偏差値のイメージ図

中学受験の偏差値の意味や高校入試や大学受験の偏差値との違いを説明するときによく使われる図です。左の大きな円が小学生、右の小さな円は4年制大学を受験をする高校3年生(現役生)の人数を示します。

同年齢人口約30万人中、中学受験人口をおおよそ6万人で計算しています。

「偏差値50」と聞くとたいしたことがなさそうですが、中学受験の偏差値50は小学校の学力上位層が母数なので、同年齢全体で見れば上位1割に相当します。

学校の偏差値

模試受験者の受験合否を追跡調査してカテゴライズしたもので、比較する学校の合格難度の差を知りたいときに使う情報です。

  • 複数の学校から志望校を検討する際に、合格難度の違いを量的に把握する。
  • 志望している学校が自分の学力にとってどの程度難しいかを把握する。自分の学力は情報源となっている模試偏差値を基準にする。

【注意!】県内受験で学校偏差値情報は殆ど役に立たない

地方都市の性質上、偏差値の母数となる模試受験者が少なすぎることと、一部の人気校以外は志願倍率が非常に低いためです。

偏差値情報を見る本来の目的である「比較の差」が測れないので注意です。

学校偏差値のつくられかた(イメージ)

  X学校 Y学校 Z学校
太郎:偏差値45 × × ×
次郎:偏差値45 × ×
三郎:偏差値45 ×
四郎:偏差値50 ×
五郎:偏差値50
六郎:偏差値50
七郎:偏差値55
八郎:偏差値55
九朗:偏差値55
  • Z学校は模試受験者の10人が受験したところ・・・
  • 追跡調査によって、模試偏差値45以上は0人、偏差値50の人は3人中2人、偏差値55の人は3人中3人が合格していることがわかった。
  • 偏差値55以上は不合格者がいない「前例」に照らし合わせれば、Z学校は模試偏差値55で合格できる…といえる。
  • よってZ学校の学校偏差値は55。

学校偏差値は大手学習塾の膨大なデータの蓄積によってつくられます。

しかし残念ながら静岡にはこういうデータをとれる規模で開催される模試が無いので・・・

判定偏差値とは?

特定学校について偏差値ごとの合格率の違いをABCDで段階分けしたものです。

「安全圏」「ボーダーギリギリ」「まず無理」というような判断がしやすいです。(間違った考えに流れることもありますが)

割合のABCDE変換表
  A B C D E
合格期待 80% 65% 50% 35% 20%
80% 65% 50% 49%以下
イメージ図
  合否 割合 判定
四郎:偏差値50 × 3人中2人 66%=B
五郎:偏差値50
六郎:偏差値50
七郎:偏差値55 3人中3人 100%=A
八郎:偏差値55
九朗:偏差値55

前述の学校偏差値の説明を書き直すと・・・

  • 模試偏差値50は3人中2人が合格。2/3=66%→判定B
  • 模試偏差値55は3人中3人が合格。3/3=100%→判定A

この学校の学校偏差値は、判定Aを基準にした「A判定偏差値」は偏差値55以上、判定Bを基準にした「B判定偏差値」は偏差値50以上になる。

判定偏差値は学校偏差値を算出するときのデータが元になっていますので、やはり静岡のような地方都市では使えない情報です。

合否判定(合判模試)

先のABCD変換を使ってその人の模試偏差値が志望校に対してどの評価になるかを示したもので、要はアウトプットの仕方の違いです。

先の例でいえば・・・

  • Z校を志望する場合、模試偏差値50はB判定、偏差値55はA判定
  • X校を志望する場合、模試偏差値50以上でA判定、偏差値45でもB判定

目標に対する現在地が一目でわかるので便利です。

しかしこれも学校偏差値のデータが元になっているので静岡では・・・ですが、例外もあります。

特定校受験者に限定した模試は有効

  • 対象校の受験者数の50%以上が利用している
  • 判定に実質倍率予測を反映している(定員割れしている志望校でDE判定を出さない)
  • 模試の出題様式と各設問の難度のバランスが実際の入試問題と概ね同等

地域トップ校の志願者はこういう模試を積極的に受けるため、その学校に限れば有効なデータになることもあります。

E判定からの逆転合格は本当?

「基本的」には、ありえません。

逆転があると思っている人は根本的な見落としがありますが、AB判定の人は完成している学力だけではなく「学習処理能力」もDE判定の人に比べて格段に高いので、直前期の追い込みによってむしろ差は拡がります。

競争相手も伸び続けていることを忘れてはいけないです。

DE判定で合格する例

  • その時期ではまだスコアリングポジションに届かない学習計画で進めている。つまり予定通り。
  • 合判模試の当日の体調やメンタルが最悪レベルで不調だった。つまり前後の試行ではAB判定相当の結果が出せている。
  • 合格者の多くが入学手続きをしない。つまりスベリ止めや前受けの人気校。
  • 合格最低点クリアで合格できる。つまり志願倍率が著しく低い。
  • 技能型選抜などの筆記試験の要求スコアが一般入試より低い受験方法で合格している。
  • 単純に、その模試の合否判定が雑、あるいは「合判模試」ではない。つまり「E判定から合格した」という情報自体が粗悪。

本命校のA判定は歓迎できない?

本命校のA判定は慢心をうみやすいからです。A判定が出たことで勉強に対して真剣さが下がってしまうことはよくあります。

大学受験では共通テストの自己採点で良い結果が出ると遊んでしまう人がいますが、A判定で不合格くらうのはそういうタイプです。

A判定で残念になる例

  • 模試の出題様式が志望校の出題様式とかけ離れている。
  • 母数が少なすぎたり対象者が志望校と一致していないなどで判定の信ぴょう性がない。
  • 面接や志望理由書でアドミッションポリシーを理解していないと判断される言動をとった。(塾依存者に多い)
  • 志望校の選定に受験者本人の意思が反映されていない。(保護者意向が強すぎたり塾の合格実績稼ぎに振り回された)
  • 不合格になったときのこと(進路予定)を具体的に決めていない。
  • 冬休みにパーティーや帰省や旅行をした。

改変履歴

  • 【2022.01.16】ナビゲーション整合性のための文脈修正と冗長箇所の削除。
  • 【2019.10.01】初版