学習サイクル~学力を伸ばす勉強のPDCA
- 2025.05.25
塾や情報によってさまざまな呼び方がありますが、要はPDCAサイクルを勉強にあてはめたものです。

STEP1:インプット
未知の言葉や定義や公式を「知る」
最も一般的で身近な手段は「学校の授業」ですが、他にも次のような手段があります。
- 学校の授業(教科書)
- 参考書などの自習教材
- 集団指導型学習塾の授業(塾テキスト)
- 非対面のオンライン授業(塾テキスト)
- 解法解説を録画した映像教材(教材添付テキスト)
インプットの手段が勉強の軸になる
たとえば参考書は「基礎」や「難関校向け」といった学力目標が設定されていますし、もくじやペース数から学習の総量がわかるので、期限を決めれば学習計画が組み立てられます。
学校の授業も文科省の「学習指導要領」に基づいて立てられた年間の授業計画に基づいて進められています。
授業は場当たり的にやってるわけではないです
STEP2:類問で練習
STEP1の知識を使う練習問題を解いて、定着(慣熟)する
テレビでプロアスリートのプレイを何度見たところで、練習しないと同じことができるわけがありません。
勉強も同じで、「繰り返しの練習」がとても重要です。
成績不振の原因に練習不足があると間違った対処に流れやすくなる
テストの点が悪いのは先生の教え方が下手とか問題集が悪いとか言う人が散見しますが、練習不足が原因の場合は塾や問題集を変えても絶対に解消しません。
練習不足がよくわかる例題

中学1年の一次方程式です。乗除記号がない記述方法と負の数だけが新出で、解き方そのものは小学5~6年生の教科書です。 なので解き方を説明して理解できない子は滅多にいませんし、テストで誤答してもやり直しを指示すればノーヒントで正答にたどり着きます。
難問でもひっかけ問題でもないわけですが、テストをすると正答率は3割程度でしかないです。
解き直せば正しい答えが出せるのにどうして7割もの子が誤答するのでしょうね?
計算ミスですね…
ならインプットが原因ではないですね
STEP3:定着確認(対処の決定)
STEP1の知識を使うテストを実施して、定着(慣熟)の度合いを確認する
最も一般的で身近な手段は「学校の定期テスト」ですが、次のような手段もあります。
- 学校の定期テスト
- 塾の学力確認テストやクラス再編テスト
- 手持ちの問題集の章末テスト
合格したら「次の学習単元」に進みます。これで1サイクルです。
しれっと書いてますがここからが重要です
STEP3の目的は不合格時の対処の決定
重要なのは「テストをすること」ではなく、不合格のときにどうするかを決めることです。
不合格のときの対処
- Step2に戻ってやり直す(再履修)
- Step1の難度レベルを下げる
不合格のときは「次の学習単元」に進んではいけない
これが機能していない学習環境では「脱落者」が発生します
学校はやり直さないし難度も下げない・・・

STEP4:個別の知識補完
不合格で「STEP2」に戻る際に、欠落している知識を補完する。
練習不足だけが原因ではない場合、欠落した知識を入れ直す必要があります。
方法は次の三択です。
- 学校の先生に質問する
- 友人や家族、知人に質問する
- 個別指導塾などの個人対応型の学習支援サービスを利用する
すべて「人」が介在している?
問題集の解答解説書を見てもワカランなら人に教えてもらうしかないです
おまけ
学校と塾のサイクルの微妙な違いを図にしたものです。
学校のサイクル

STEP4は自己責任
つまり脱落者は必ず発生します
集団指導の受験塾のサイクル

降級クラスではなく個別指導クラスを設けている塾もあります
個別指導の受験塾のサイクル

STEP1で映像教材を使う塾が増加しているようです
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