正方形の中にあるおうぎ形の面積計算

  • 2021.06.08
正方形の中におうぎ形

学校の定期テストで似た問題は出ますが、少し数字を変えると難解です。

偏差値45-50(基礎)

  • 三角形と四角形の性質(小学4年生)
  • ひし形の面積(小学5年生)
  • 円の面積(小学5/6年生)

基本的なおうぎ形の面積の出し方

定期テスト難度のおうぎ形

与えられている長さが「対角線」ではなく「直径や半径」なら学校授業の難度です。

円を4等分した形に見えますので、まずは分割する前の状態に戻してみます。

おうぎがた

まずはこの図から「円」の面積を求めてみます。

6 × 6 × 3.14 = 円全体の面積

おうぎ形の面積は、円の1周360°に対して中心の角度が何度かを分数にします。

上記の場合は90°ですから〔90 / 360〕となります。わかるなら〔1/4〕としてしまってもいいです。

よって上記のおうぎ形の面積は・・・

6 × 6 × 3.14 × 90/360

→ 9 × 3.14 = 28.26

正方形の面積を出す

正方形とおうぎ形に分離

与えられている情報が対角線しかありませんので、まずは正方形の面積を求めてみます。

上図のように正方形とおうぎ形を分離すると考えやすいと思います。

6 × 6 × 1/2 = 18

正方形の面積の計算方法を見直してみる

「タテ × ヨコ」と覚えていると思いますが、もう少し厳密にいえば、正方形は「一辺 × 一辺」です。

そんな細かい言葉の違いはどーでもいいんだよ・・・と思っているとこの問題は解けません。

この正方形の面積は、次のように書き表すこともできます。

〔一辺〕×〔一辺〕=18

正方形の面積

Aの長さは算数の教科書では出せません。(ちなみに √18→4.242640...です)

円の面積公式を見直してみる

半径 × 半径 × 3.14 ですが、その半径が図のどの位置になるかを視覚的に確認してみます。

公式の項の位置を確認

赤線や緑線が半径ですが、正方形の「A」とおうぎ形の「半径」は同じ長さです。

その長さが計算できないから困っている・・・

だから次のように考える。

一辺=半径

それぞれの数字はわからないけど「かけ算した答え」はわかっているので、これを円の面積公式にあてはめれば計算できます。

〔半径〕×〔半径〕× 3.14

〔18〕 × 3.14 = 円の面積

求めるのは中心角90°のおうぎ形なので・・

〔18〕× 3.14 × 90/360 = 14.13

ちなみに半径√18=4.24264として計算する場合・・・

4.2426406 × 4.24264 × 3.14 × 1/4 = 14.12999

√18をそのまま使う場合は、√18×√18×3.14×1/4 → 18×3.14×1/4で先ほどの解答例と同じ計算式になります。

「それぞれの数字はわからないけど「かけ算した答え」はわかっている」という考え方は、中学受験の図形問題では頻出。

別解ひし形の公式の意味から考える

ひし形の公式

ひし形の公式の「÷2」は上図のような意味ですが、この図に設問の図形をはめ込むと下図のようになります。

正方形の6㎝を半径とするおうぎ形を描いてみたのが次の図(黄色)

このおうぎ形の面積はページ冒頭で解説しています。

6 × 6 × 3.14 × 90/360

→ 9 × 3.14 = 28.26

ひし形公式の「÷2」のとおり、黄色いおうぎ形の面積は元の青いおうぎ形の2倍になっています。

つまり黄色いおうぎ形の面積の半分が求める青いおうぎ形の面積です。

28.26 × 1/2 = 14.13

2019年 静大附属中学入試問題の解答例

記述式は計算式の意味や理由を併記します。要は解答解説書をつくるのが記述式です。

正方形の面積を求める誘導小問(問1)があります。また、出題された問題は「対角線8センチ」ですが、ページ作成の都合上「対角線6センチ」で解説します。

記述解答例

  1. 正方形の面積は、ひし形の公式によって「6㎝×6㎝×1/2=18c㎡」
  2. 正方形の一辺をAとした場合、正方形の面積はA×A=18c㎡
  3. Aは求めるおうぎ形の半径なので、おうぎ形の面積は、A×A×3.14×90/360
  4. ②よりA×A=18なので、18×3.14×1/4=14.13c㎡

箇条書きにして番号をふると書きやすいと思います。

図表を使ってもいいので次のような書き方でも良いと思います。

「問1」より正方形の面積は18

一辺=半径

上の図より、おうぎ形の面積は A×A×3.14×1/4

A×A=18なので、18×3.14×1/4=14.13c㎡

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2022年11月23日から2023年3月末頃(予定)