角度情報がない図形の合計の角度補助線と対頂角と錯角で見えない角度を探す

星型多角形の内角の和
2020.07.07
2019.10.01

解答時間のめやす

お一人様学習 unlimited
グループ学習 15分くらい

星型多角形の発展問題で、中学数学では「図形の相似合同証明」の前提知識で習います。

数字的情報が一切ないのにどうやって解くのかが難しそうですが、これはそういう問題ではありません。

  • 対頂角と錯角(小学4年)
  • 多角形の角度(小学5年)

この問題のルールネタバレ

角度につながる情報が一切なければ個々の角度は絶対に出せません。

それでいて「合計」を問うということはつまり、答えは必ず「n角形の内角の和=180度の倍数」になります。なぜなら・・・

  • 直線のみで構成される平面図形は三角形(180度)の集合体でできている
  • 個々の角度を得る情報が一切与えられなければ数字で答えられることは内角の和しかない

つまり、答えを180の倍数にしないと問題として成立しないわけです。

チートな解き方

答えが必ず180度の倍数になる性質を利用すれば、この問題は思考ゼロで正答できます。

  • 問われている角度を目分量で三角定規の角度にする
  • 出した数字を全部足す(合計を出す)
  • ↑多角形内角の和である180°、360°、540°、720°…に最も近いものが答え

誤差±90度まで許容範囲ですから乱暴に採寸してもまず外さないです。

当たり前ですがいちおう念のため書いておきますが、こんなやりかたは算数でも数学でもありません。

テキスト学習はあんまりお勧めしない

ありていにいえば、算数マニアのゲームです。

面白いと思うならぞんぶんに遊べばいいと思いますが、だったらネットで解き方を調べるのはゲームの興を削ぐだけなのでやらないほうがいいと思います。

算数遊びに興味がなければ解けたところで「だから何?」で終わってしまう問題ですし、対頂角や錯角の転がし方の理解が曖昧だと混乱します。

アクティブラーニングでなければ結局は知識学習に終始してしまうので、授業解説を聞いたり一人で問題集と向き合う勉強にはあんまり向かないです。

ですから先にチートなやり方を書きましたので、宿題を片づけたいだけならここで終わって大丈夫です。

解答例補助線をひいて対頂角で動かす

補助線をひいて六角形をつくる

まずはこんな感じで補助線をひいてみると、六角形ができます。

等積変形の考え方をつかってみる

等積変形とは面積を変えずに図形を別の形にすることです。平行四辺形や三角形の面積を求めるときに図形の一部を切り取って別の位置にはめ込むようなイメージです。

等積変形

今回は面積とは関係ない話なので等積変形という言葉は的確ではないですが、変形によって一辺の長さや個々の角度が変わっても内角の合計は変わらないことをしっかり認識するついでに言葉を覚えましょうということです。

とにかくまぁ、元の図形を無視して正六角形の補助線を描き、元の図形の各頂点を六角形の頂点に合わせ、見やすくするために内側の三角形も一辺を六角形に揃えると・・・

正六角形のカタチに変形した状態

不思議生物(?)が出てきます。

いまいちど認識することは、元の問題の角度の合計と不思議生物の角度の合計は同じであることです。

もういちど書きますが、変形によって一辺の長さや個々の角度が変わっても内角の合計は変わりません。この図形の超基本的なことがこの類の問題を解くカギになります。

解き方のながれを整理

  • 黒点が「n角形の内角」になるように変形したり補助線をひく
  • 内角の位置にならなければ対頂角や錯角で「移動」する

変形しても内角の合計は変わらないなら、変形や補助線をつかって「n角形」をつくればよいです。

前述で「算数ゲーム」と評したのは、この問題には可逆性がないからです。その件は文末で書いているので興味があればご覧ください。

変形や移動するときの考え方を堅苦しく説明すると下図のようになります。

対頂角

対頂角と残りの2角の合計

元の図形で、補助線をひいてできたふたつの三角形に着目します。

対頂角があるふたつの三角形に着目

しかしこの状態だと次に何をすればいいかわかりにくいかもしれません。

そこで、次のように大胆で思い切った変形をしてみます。

相似の正三角形に変形

上図は、補助線でつくった三角形を正六角形を構成する「正三角形」に変形し、元からある小さな三角形を「相似の三角形」に変形しています。

先ほどの不思議生物にかぶせるとこんな感じになります。

変形イメージ図

相似の関係ですから小さな三角形の黒点(図中は赤点)は★点の角度と同じです。

図例の変形は「正三角形」にしたので、(正三角形の定義によって)赤線で囲っている三角形の内角は全て60°ということがわかります。

相似なので角度はコピーできる

対頂角を除く残り2角の合計は、両方の三角形とも同じです。

つまり、内側の三角形にある黒点2つは補助線でできた三角形に「移動」できるわけです。もちろんそれは他の小さな三角形でも同じことがいえます。

この時点で別解がありますが、それはセクションの最後で書きます。

であれば・・・

解き方

一見すると乱暴ですが、説明を求められたら、先ほどのように正六角形と正三角形に変形してから移動して、再びこのカタチに変形すればいいわけです。

考え方に可逆性があるのでちゃんと数学してます。

移動したら元の図形の線を薄くしてみましょう。

六角形の内角の和

点は六角形の内角を構成する全ての箇所を埋めていることがわかります。

点がそれぞれ何度かはわかりませんが、キッチリ埋っているなら角度の合計は六角形の内角の和に等しいはずです。

六角形なので720度。

別解

変形イメージ図

「他の三角形でも同じことがいえます」ではなく、同じことをやってしまうとこうなります。

正六角形の内角の和

小さい三角形は5つしかないのでポッカリ空いた場所ができますが、不思議生物の眼玉を相似で移動しちゃえば正六角形の内角がぜんぶ埋まります。

あとがき

可逆性とは、ひらたくいえば「元に戻せること」です。

星型多角形の問題は「図形を構成する情報」が無いからこそ問題として成り立つわけですが、それゆえに変形前の情報を定規等で測っておかないと元の状態(問題の図形)には戻せません。

解説文中でも書いたとおり「考え方」には可逆性があるので数学ですが、現実的には定規がなければ元の状態を再現できず、また、定規で採寸すれば数学ではなくなります。

つまりこの問題や星型多角形は実用性がないので「算数ゲーム」というわけです。

おまけ:チート技の検証

三角定規の角度をあてはめた図
  • 60°×5個=300°
  • 45°×4個=180°
  • 30°×7個=210°
  • 300+180+210=690
  • 最も近い180の倍数=720(当たり)

こんな雑な技で攻略できてしまうとは・・・