正方形と正三角形が組み合わさった図形の面積計算30度150度の二等辺三角形をやっつける

三角形と四角形の面積
2020.06.09

解答時間のめやす

小学生 unlimited
中学生 30分くらい
中学3年生以上 2分

目安時間のとおり学習経験や勉強のやり方で体感難度がガラリと変わります。

このページでは3種類の解き方で解説しますので、似たような問題もおそらく解けるのではないかと思います。

  • 三角定規(小学4年)
  • 角度の計算(小学4年)
  • 三角形と四角形の面積計算(小学4/5年)

解法その1パズルで解く

「全部の辺の長さが等しい」という情報によってこの図形は正三角形と正方形で構成されていることがわかりますので、わかっている情報を埋めていくとこうなります。

角度を入れた図

ここまでは秒で片づけましょう。

秒で片づけられなければこの問題は身の丈超えすぎです。

カギとなる150度二等辺三角形

150度の二等辺三角形を見つける

この問題を解くカギとなる三角形です。

いちおう理由を書いておきますが、面積計算において必須の「長さ」の情報があるのはここだけだからです。

抜き出してみたのが次の図。

150度二等辺三角形

150度二等辺三角形の面積の出し方

150度二等辺三角形の面積計算は三角定規の補助線をつくって解きます。

150度三角形の面積計算のやり方

下の図は説明とイメージしやすいように直角の部分が下になるように反転させています。

画像に書きこんである考え方は次のとおりです。

  • 〔90-60-30〕の三角定規で「正三角形」をつくる
  • 〔90-60〕の辺(図のBCやBC)は、正三角形一辺の半分であることがわかる
  • 正三角形の一辺は、150度三角形の斜辺(ななめの辺)になっている(線PC)
  • 150度三角形も二等辺なので、線PCは150度三角形の底辺(AP)と同じ長さ
  • これによって、「底辺AP × 高さBC ÷2」の三角形面積公式にあてはめられる

つまり・・・

  • 「二等辺」の直線を「底辺」にする(図形を回転する)
  • 150°の角に三角定規の30°角を合わせる
  • その三角定規を反転させて正三角形をつくると、その情報から元の図形の「高さ」がわかる。

小学校の教科書で三平方の定理は余談の位置づけです。「定規の短辺と斜辺に比率を示す①②のシールを張ると便利」という覚え方は絶対にダメです。

三角定規を補助線として使う問題は、「三角定規をふたつ組み合わせると正三角形になる」「正三角形を半分に切ると三角定規になる」という前提知識の定着を試しているので、公式的な暗記をすると補助線を使うという発想自体ができなくなります。

パズルで解く

後述する別解に比べるとややこしいですが、手順を知っておくと考え方の幅が広がるのでまずはパズルで。

この角度に着目

同じ角度を見つける

余計な線を消してみます

考えに不要な線を意識から消す 切り離す

何をするのかだいたい想像つきますね。

赤いほうを裏返してみます。

反転して 移動して回転
くっつけると平行四辺形

平行四辺形がでてきました。

高さを探す

角度の確認ついでに図形の情報をかんたんにしました。

平行四辺形

平行四辺形の面積は「底辺×高さ」ですが、相変わらず情報が抜けています。(グリッドを数えるのはナシですよっ)

勉強中にフリーズはいけないので、とりあえず欲しい情報である「高さ」にあたる部分に線をひいて考えてみることにします。

高さ

あれ? ついさっきも同じカタチを見たような・・・

150度二等辺三角形

150°三角形を半分に切ったヤツですね。

そういえば元々はどんな図形だっけか?

元の図形を重ねた図

補助線を伸ばしていくと150°三角形の残り半分がはめ込めそうな気がします。

はめ込めたら平行四辺形の高さは出ますね。はめ込めれば・・・ですが。

はめ込んだ図

まーそんな気がしましたね。

平行四辺形の面積=底辺×高さ

16×8=128 (㎝2)

いろいろめんどくさいし小学校高学年にとって「頭の中で動かす」のはかなり難しいですから個人的には好みませんが、切って動かす解き方は発想の幅を広げるので知っておいて損はないと思います。

別解30度二等辺三角形のチート公式で解く

最後の図解もそうですが、150度三角形の線は、正方形の一角から三角形の最も遠い頂点に向かっています。

そこで点Aの下にも同じように150度三角形をつくる補助線をひいてみたのが次の図。

補助線追加 60度の四等分線

点Bを拡大してみると〔15/60〕ずつ。つまり点ABCを結んだ図形は斜辺が16センチの「30度二等辺三角形」です。

補助線によってつくりだした30度二等辺三角形

この解法では30度二等辺三角形を使うので少し解説

説明用の図形は寸法が違いますが、そこはまぁ大人の事情ってことでw

30度二等辺三角形の面積計算

30度二等辺三角形の隠しコマンド

三角定規補助線を使う

スタンダードな解き方は、底辺の一方から上図のように垂直になる補助線をひいて三角定規をつくります。

三角定規の補助線で何するかは150度三角形でやりましたね。

三角定規の斜辺にあたる箇所の長さがわかれば高さも自動的にわかるので、上記の解説用三角形の面積は・・・

底辺10×高さ5÷2=25

という感じで計算します。ここまではOKですね。

「底辺×高さ÷2」の公式に数字をあてはめるわけですが、この方法で高さを探すと30度二等辺三角形では「高さ」=「底辺の半分」になります。つまり・・・

〔底辺〕×〔底辺÷2〕÷〔2〕

こういうことですが、カッコをとりはらうと・・・

〔底辺〕×〔底辺〕÷〔2〕÷〔2〕

このように表現もできます。この中で「÷2÷2」は「÷4」にまとめることができるので・・・

斜辺 × 斜辺 ÷ 4 = 面積

という隠しコマンドが使えます。

単なる言い換えなのですが、これを公式として解説している問題集や塾も少なからずあります。いきなりだと「÷4?どっからわいて出た?」ってなっちゃいます。

意味を取り違えると数学とは違う方向へ飛んで行ってしまうので、スタンダードなやり方がスムーズにできるようになってから使いましょう。

では本題

30度二等辺三角形をつくれ!

ここに補助線をひく

図形の外にも補助線をひく

補助線でできたスキマに図の150度二等辺三角形を移動する

150度二等辺三角形を移動

すると、こうなる。

30度二等辺三角形が2つできる

30度二等辺三角形がふたつできましたね。

斜辺に数字が入っているので計算は簡単。

  • 斜辺16×(斜辺の半分8)÷2
  • 斜辺16×(斜辺の半分8)÷2

A64+B64=128 (㎝2)

ちなみに隠しコマンドを使うと・・・

  • (16×16÷4)×2 → 16×16÷2
  • いろいろにこむ(16×16=256)の半分で128

さらに別解ひし形の公式で解く

(仕上げをわかりやすくするために)三角形の位置を変えます。

三角形の位置を変える

こっちのほうがよく見かける並べ方ですね。

次に、線ABが対角線になる正方形を補助線として書きます。

正方形の補助線

書いたらそれを元の図の中央に移動。

直線ABを三角形の傾きに沿って二等分線まで並行移動です。

手裏剣

はみ出した部分が補助線正方形の中に納まります。

縦横の長さはわかりませんが、対角線の長さがわかっているのでひし形の公式で解けます。

対角線×対角線÷2=面積

16×16÷2=128(㎝2)

こういう問題や解き方は「手裏剣(しゅりけん=忍者の武器)」と呼ばれたりもするようです。

手裏剣な類問

これも手裏剣

中学受験ではこっちのスタイルをよく見かけます。

あとがき

最後の手裏剣ですが、「中央に揃える」というのがとても数学的なのですが・・・

  • 直感的でない補助線の使い方は小学校高学年には難しい
  • 解法解説の途中で「あ、わかったかも?あとは自力でやってみる」の入る余地がない
  • 「このように手裏剣で解けるのです。では類問やってみましょ」という流れだと知識で解けるので「できた気」になりやすい

授業や教材ではなくクイズ番組向けのような気がします。