仕事算静岡雙葉中学過去問解説

  • 2021.11.15

ある工場では3Dプリンタを利用してネジを作っています。3Dプリンタ1号機は12分で1個、2号機は20分で1個のネジが作れます。1号機と2号機を同時に動かしてネジを作ります。

2021年大問4

問題文が冗長なので、解き始める前に整理が推奨。

やや難しい

比較的多い

  • 速さ(仕事)
  • 公約数・公倍数(小学5年)

状況整理

3Dプリンタとかネジという言葉が雑多なので、要点のみ抜き出します。

  1号機 2号機 合計
製造数 12分で1個 20分で1個  
分速 1/12 個 1/20 個 8/60 個
時速 5個 3個 8個

いわゆる「仕事算」は要するに「速さ」の問題なので、速さを出しておきます。

分速の分母を60にしたときの「分速の分子」と「時速の数字」が一致していることを確認しておきます。

小問1(時間の公倍数)

3Dプリンタを動かし始めてから1時間30分後には、2台合わせて何個のネジができていますか。

上記でまとめた表の「合計」を問われています。

1時間30分後=1.5時間後

【1時間】A5個 + B3個 = 8個

【1.5時間】5個 × 1.5 = 12個

・・・というのが基本的な考え方ですが、これだと誤答の可能性があります。

小問1には珍しく罠がある

15分ごとの数を表に書き出して確認してみます。

  1号機 2号機 合計
1分 1/12 個 1/20 個 8/60 個
15分 15/12=1個 15/20=0個 1個
30分 30/12=2個 30/20=1個 3個
45分 45/12=3個 45/20=2個 5個
60分 60/12=5個 60/20=3個 8個

15分きざみでみると、整数にならない(ひっ算すると余りが出る)数が発生していることがわかります。

よって、「1時間(60分)」と「59分まで」は別個で計算する必要があります。

1号2号それぞれの倍数ごとの時間で表にまとめると、次のようになります。

  1号機 2号機 合計
1分 1/12 個 1/20 個 8/60 個
12分 12/12=1個 12/20=0個 1個
20分 20/12=1個 20/20=1個 2個
24分 24/12=2個 24/20=1個 3個
36分 36/12=3個 36/20=1個 4個
40分 40/12=3個 40/20=2個 5個
48分 48/12=4個 48/20=2個 6個
60分 60/12=5個 60/20=3個 8個

〔1時間で8個〕+〔30分で3個〕=11個

表で考え方を示さない場合は・・・

1号機は1分で1/12個、2号機は1分で1/20個

60分で作れる数=(〔1/12〕+〔1/20〕)×60=8個

30分で作れる数は・・・

1号機:〔1/12〕×30=30/12=2.5 端数切捨てで2個

2号機:〔1/20〕×30=30/20=1.5 端数切捨てで1個

8+2+1=11個

小問2

2台合わせて100個目のネジが出来上がったのは、3Dプリンタを動かし始めてから何時間何分後ですか。

小問1の罠に気づかないと、この問題でも同じ罠にひっかかります。(2問落とすので痛いです)

1時間単位で作れる量

時速8個です。

100個つくるためには・・・

100個÷8個=12.5時間 →12時間30分

ただし小問1のとおり、「〇時間」と「〇分」は分けて計算する必要があります。

12時間でつくれる数

1時間で8個 × 12時間 = 96個

100個のうち96個は「12時間」で作れることがわかります。

残り4個をつくるのに何分かかるか?

これは先ほどの表から読み取ります。(表がない場合は時刻の公倍数を書き出します)

  1号機 2号機 合計
36分 36/12=3個 36/20=1個 4個

〔96個で12時間〕+〔36分で4個〕=12時間36分

  1号機 2号機 合計
12時間 720/12=60個 720/20=36個 96個
36分 36/12=3個 36/20=1個 4個
756分 756/12=63個 756/20=37個 100個

小問3

100個目のネジができあがったとき、1号機と2号機でネジがそれぞれ何個ずつ作られましたか。

さきほど答えを書いてしまいました。

1号機:63個

2号機:37個

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2022年11月23日から2023年3月末頃(予定)