併塾=集団指導塾+個別指導塾中学受験の常識?
2020.06.16
併塾(へいじゅく)とは、集団指導型の受験塾と、その補習を目的にする個別指導塾や家庭教師を並行利用することです。
一般的には「塾の掛け持ち」と呼ばれ、(肌感覚では)中学受験をする人の半数以上が複数の塾を利用しているようです。
このページでは併塾の是非ではなく、併塾を検討するときの留意点を書きます。
中学受験を前提に書いています。
中学受験で集団指導型受験塾の利用は「基本」理由は授業組立と計画学習
中学受験の問題は学校の授業だけではほとんど解けないので、受験用の計画学習が必要になります。
学校に代わってそれを提供しているのが集団指導型の中学受験塾です。
塾なしで中学受験に挑めるのは、過去問を見るだけで学習に必要な教材と学習計画を用意できる家庭の特権です。
↑ここに触れると塾不要論の話になるので、そこは無いものとして進めます。
受験塾の授業についていける子供は少ないついていくために個別指導を併用する
受験算数は中学高校の問題を小学算数の定義公式を駆使して解くものなので、多くの子供は次のようなカベに当たります。
- ペースが速くて聞き取りや板書転記が間に合わない
- 復習で理解できない箇所が残り、それが積み重なってわからない箇所が増えている
「中学になると授業のペースが3倍になるのでついていくのが大変」という塾や通信教材の宣伝文句と同じ状態になるわけですが、通常の3倍かどうかはともかく集団指導は個人の理解度に合わせてくれないのは確かです。
授業に適応できなければ個別指導の併用は必須
授業についていけないということは、現在の学習能力では塾の授業を消化しきれないということです。
そうなった場合、次の三択を速やかにする必要があります。
- 塾の補完を目的とした個別指導を利用する
- 学習難度(志望校難度)を下げる
- 受験そのものをやめる(塾もやめる)
即断即決は絶対です。なぜなら授業についていけなくなると(子供が)塾に行く目的が「志望校合格」ではなく「勉強のことで親とモメたくない」に変わります。子供は親の満足のために塾に通い、親はその姿を見て頑張っていると勘違いして「頑張れ」という言葉で逃げ道を塞ぎます。
残酷な「中学受験あるある」を回避するには即断即決が絶対です。
併塾は組み合わせの選択肢が少ない同一単元・同一難度
集団指導塾の補完目的で個別指導を使うなら、同じ教材を使うのが理想かつ基本です。異なる教材を使うにしても同一単元・同一難度は絶対です。
学習内容が一致しないと・・・
- 反復密度が薄くなって定着が甘くなる
- 学習内容が分散して定着が悪化する
これでは補習にならないどころか無意味に時間と気力を消耗するだけです。
ですから「個別指導なら何でもいい」というわけにはいかないです。
同一単元・同一難度でない組み合わせは「併塾」ではなく「掛け持ち」です。塾の掛け持ちは学力を下げる代表的原因のひとつですから絶対にやってはいけません。
選択肢は限られている
探しやすいものから順に並べると・・・
- 集団指導の受験塾と同じ経営母体や資本提携している個別指導塾
- 集団指導の受験塾と業務提携している個別指導塾
- 教材持ち込みができる自習塾や家庭教師
併塾と「掛け持ち」は似て非なる掛け持ちダメ!絶対!
近年は計画学習のサポートを行う学習管理型(学習マネジメント塾)も増えていますし、ネットの学習サービスで代替できることもあります。そもそも個人的には併塾はあまり良い選択とは思えません。
「併塾するなら?」をテーマに書きましたが、このページで最も伝えたいのは「塾の掛け持ち」は絶対にダメということです。
塾の利用有無を決めるのは保護者です。それつまり・・・・